【セールスライティング】人を引き付ける「ストーリー」その構造を解説。基本の型とは?

マーケティング・スキル
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セールスライティングで「売る」ための基本は「ストーリー」で語る手法

ネットでモノを買うという行為が当たり前のことになって定着しました。

ネットショップで直接商品を買うという行為だけでなく、ネットで調べてからリアル店舗で購入というパターンもあれば、第三者のネットの書き込みをチェックしてネットショップをセレクトするというパターンもありますね。

つまり、モノを売ろうと思ったら、ネット上に
「どう書かれているか?」
が最大の重要ポイントになるということです。

いくら商品が良くても、ネット上で上手くその良さを書かれていなければ
「売れない」
ということになるのです。
ネット上の文章が決め手ということです。

モノを売るために文章を書く技術のことを
「セールスライティング」

といいます。

YouTube動画なども、しっかりとした台本(シナリオ)があって初めて伝わる動画になるという意味では、セールスライティングが決め手になっていると言えます。

そのセールスライティングで最もポピュラーで、最も古くからあるテクニックに
「ストーリーテリング」という手法があります。

これは、物語で相手を引き込む技術です。

元々はセールスのテクニックではなく、寓話や伝承を後世に伝えるために編み出されたものだと思います。
それが演劇や小説などのエンターテイメントとして発展し、後にモノを売るためのテクニックに進化していったのです。

今ではストーリーを語ってセールスをするのは王道の一つになってきました。

今回は、

セールスライティングとして、人を引き付ける「ストーリー」の構造を解説し、その基本の型を5つのステップで紹介していきます。

この5つのステップをテンプレートにして、当てはめていけば、ストーリーの構造通りのセールスライティングが出来るようになります。

セールスライティングの勉強からV字回復した体験

僕が以前飲食店を経営していた時、最初の経営危機が2004年ごろに訪れました。

その時はうちの父親から引きついだお店をある意味「引きずって」昔ながらの常連さん相手の商売で回していたのが売上減少の大きな理由でした。

そこで、新規顧客を開拓するために一番最初にやったこと、それが「セールスライティング」でした。

セールスライティングにもいろんな型があるのですが、その中でも特に強力だったのが「ストーリー」で語るセールスライティングでした。

そのおかげで、わずか9か月で売上40%アップを達成するV字回復をしましたし、折込チラシで1.2%というちょっとあり得ない反応率をたたき出したこともあります。

なので、セールスライティングの威力、特にストーリーを語るパワーは身に染みて実感しています。

ストーリーの構造 5つのステップ

では、早速ストーリーの構造を5つのステップに分けて順番に解説していきます。
この5つのステップの順番通りに書いていけばストーリーが出来上がります。

今日は、事例として「あるラーメン店」のセールスライティングを書いていきながら解説していきたいと思います。

ステップ① 前振り(今までの自分)

まず最初は前振りです。
今までの自分の姿を紹介していきます。
どんなことをどんな思いでやっていたのかを読者(見込み客)に紹介していきます。

【例】

私は、3年の修行の後念願のラーメン店をオープンさせた。
修業は厳しかったが、自分の店を持つという夢のために歯を食いしばって耐えてきた。
寝る間も惜しんで開発したオリジナルの「ラーメン」は師匠も認めてくれた自信作だ。豚骨を骨のカタチが無くなるまで煮込んだ「濃厚」なスープはガツンとパンチの効いたこってり味で、ラーメンファンにも評判が良くなると確信している。
必死で貯めた開店資金に銀行からの融資を足して、何とかオープンまでこぎ着けた。

こんな感じで、今までの自分についての紹介文を書いていきます。

ステップ② 挫折

そして、あなたは挫折します(苦笑)
思い描いたものとのギャップに苦しむ苦悩の時を過ごすのです。
この挫折も大きければ大きいほど効果的ではあるのですが、あまり極端なほどの悲惨な挫折では逆に共感を得られず失敗しますので、やりすぎ&盛りすぎは禁物です。

【例】

オープンして最初の2ヶ月は順調だった。
ところが、その後徐々に客足が落ちていき、売り上げも苦しくなってきた。
理由は分からない。味には絶対の自信があるし、手を抜いたことも一度もない。
開店して3ヶ月目。
ついに店の売り上げが「赤字」になった。4ヶ月目も歯止めが効かず、ついに資金も底をつきかけてきた。
このままでは再来月には店を閉店しないといけない状態になりそうだ。

このように、順調そうに見えたお店の経営が危機に陥ります。
でも理由が分かりません。焦りは募りますが、解決するどころか、ますます悪化していきそうな感じです。

ステップ③ 転機

挫折に打ちひしがれているあなたに、ふとしたきっかけで転機が訪れます。
ここで、ストーリは大きく動きます。まさしく「起承転結」の「転」の部分です。
セールスライティングでは、この「転機」の部分をどう違和感なく読ませるかがカギになります。

【例】

客足が途絶えて閑散とした状態が続く中、ふとネット口コミサイトの書き込みを目にした。
うちの店のクチコミが数件書かれている。どう書かれていたかというと
「確かに、味は良いがまた行きたいとは思えない。何しろ味がクドくて1度でいいかと思う」
「最初の一口目はメッチャ濃厚で旨いと感じるけど、だんだんこってり過ぎて最後までスープが飲めなかった」
「豚骨、クセが強すぎ。私には合わない」
「美味しいけど、ちょっと胃がもたれますね」
こんな書き込みばかりだった。私は愕然とした。
濃厚で「ガツン」とくるこってり系のラーメンが支持されると思っていたし、ラーメン通には評判が良かったはず。なのに、クドくて最後までスープが飲めないとか、胃もたれするとか、これがお客様が来ない理由だったと初めて気づいた。

「こってりすぎるラーメンはダメなんだ」

自分が信じてやってきたことが、間違っていた、お客様のニーズやウォンツとズレていたことを知るというのが転機になります。
ようやく、挫折に至った理由が見えて解決の方向が分かってくる感じですね。

ステップ④ 奮闘・努力

転機が訪れて、自分の改善するポイントがおぼろげながら見えてきました。
ここから、いよいよセールスライティング「ストーリー」のクライマックスです。
改善に向けた奮闘と努力です。
この奮闘・努力の中に、多くの挫折とチャレンジを繰り返す様子を盛り込むとより共感を得られます。

【例】

その日から、レシピの改善を始めた。
あらゆる産地の豚の骨を取り寄せて、それぞれに煮込む時間を変えながらスープの試作を繰り返す。
「カエシ」のタレの調合も変えながら、また別の材料などを加えたりして「濃厚」過ぎず、でもしっかりとした味になるように何度も何度もやり直して作った。
最初は全然うまくいかず、「やっぱり最初の味で辛抱強く勝負した方がいいのでは?」とくじけそうになったりもしたが、自分のお店を持つという夢をここで終わらせたくない一心で試作を続けた。
お店の営業時間外、夜中遅く時には明け方まで試作を繰り返すのは正直キツイ。
体力もそろそろ限界が近づいてきていた。

そして、数週間が過ぎたころ、何十種類の組合わせを試した後だったか、味はしっかりしているのにスーッと後味が引いていき、スープを飲み干しても全くクドく感じないラーメンが出来た。

ポイントは、バナナを一緒に煮込むことと、「カエシ」にハチミツとチョコレートを加えること。最初は全くそんな発想はなかったのだが、万策尽きて試しにやってみたのが大正解だった。

奮闘・努力の末、答えが見つかります。ストーリーの中では一番の見せ場。
ココがセールスライティングのメインですね。

ステップ⑤ 成功・成果

そして、いよいよ最後のステップです。挫折して、転機が訪れ、奮闘努力した結果、成果となって現れます。
セールスライティングでは、ようやく、ここで「売り込み」をかけます。
クロージングですね。ここまであなたのストーリーに共感してくれた読者(見込み客)はもう、早くその結果(商品)を知りたくなってきたはずです。

【例】

そうして、ようやくできた新しいラーメン。
「ハチミツ豚骨ラーメン」です。
味はしっかりとして一口目から「旨い」と言ってもらえるように、そしてスープの最後の一滴まで飲み干してもらえるような「究極の優しくガツンとくるラーメン」が出来ました。
ただし、数は多く提供できません。作る量に限界があるので、1日に50杯限定となってしまいます。
昼は11時からオープンして、50杯完売したら閉店します。
ハチミツ豚骨ラーメン、ぜひ一度ご来店して下さい。

こんな感じで「売り込みます」
ただ単に「ハチミツ入りのタレが決め手!ハチミツ豚骨ラーメン。1日限定50杯」

といったセールスコピーだけでは、なかなか食べに来てくれません。
ちゃんと自分がどういう思いでお店をオープンさせて、どんな挫折を経験して、どんな転機が訪れて、どんな奮闘努力の末に出来たラーメンなのかを伝えるから「売れる」のです。

これが、「ストーリー」の基本形です。

ちなみに、ハチミツ豚骨ラーメンは、事例のための創作ですので、本当に美味しくなるのかは分かりませんし、たぶん(?)かと。
また、もしも、「ハチミツ豚骨ラーメン」をすでに商品化しているお店があったら御免なさい。
まったく、そのお店とは関係のないフィクションですので、許してください。

まとめと参考書籍

【セールスライティング】人を引き付ける「ストーリー」その構造を解説。基本の型とは?

  1. 前振り
  2. 挫折
  3. 転機
  4. 奮闘・努力
  5. 成功・成果

この順番で書いていくと、お客様を引き付ける強力な「セールスライティング」になります。

参考書籍

ストーリーで語るセールスライティングを学べる書籍を3冊ご紹介します。
どれも定評のある書籍ですので、セールスライティングだけでなく、プレゼンや人とのコミュニケーションなどにも参考になります。

①プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える 

マイクロソフト、IBM、NASAなどを顧客に持つコンサルティング会社、
グループ・プロセス・コンサルティングの創業者であるアネット・シモンズ氏の著書。
タイトル通り、ストーリーで相手に伝えるバイブル的な書籍です。

②ストーリーで伝えるブランド シグネチャーストーリーが人々を惹きつける 

著者のデービッド・アーカー氏は、カリフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネススクールの名誉教授(マーケティング戦略論)。
L.L.ビーン、IBM、テスラ、トヨタ自動車、バーバリー、P&G、セールスフォース・ドットコム、アマゾン・ドットコム…多くの事例をもとに、「シグネチャーストーリーで伝えるブランド戦略論」を詳述されています。

③物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術

こちらは、セールスライティングを学ぶというよりは、ストーリー(物語)の構造そのものを学べる良書。
映画「スター・ウォーズ」「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」他に深い影響を与えた、そして村上春樹氏や中上健次氏なども踏襲しているとされるヒーローズ・ジャーニー理論(ジョーゼフ・キャンベル)に、プロップのおとぎ話理論、ボードビルの手法等をミックスさせて独自に発展させた本格的手法を紹介されてます。

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