【起業する人必見】退職時に選択できる「健康保険の任意継続制度」を解説

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独立起業すると健康保険の高さに驚きます

サラリーマンから独立して起業する時に、びっくりするのが「健康保険の高額なこと」です。

いきなり法人設立して最初から社会保険もバッチリつけるぜ!

という人は別ですが、当面はフリーランスとして個人事業主となるような場合は、いわゆる社会保険ではなく、国民健康保険(以下、国保)に加入して保険証を発行してもらうのが多いのではないでしょうか。

この国保がとにかくめちゃ高額でびっくりします。

特に会社勤めの時にそれなりに給料をもらっていた人は、前年の年収に応じて支払額が決まりますので、それはそれは高い保険料を払うことになります。

健康保険の任意継続制度ってご存知ですか?

そんな高い国保に加入しなくても、退職後もそれまでの社会保険を継続して加入していられる制度があるのをご存知でしょうか?

「健康保険の任意継続制度」というものです。

どういう制度かというと、それまでサラリーマンとして会社に勤めていた時に加入していた社会保険に、最長2年間継続して加入していられる制度です。

この制度を使うと、国保に加入するよりも健康保険料をグッと安く抑えることができる可能性があります。

当面は個人事業主として仕事をしていこうと思っている方などは、この制度を活用することによって、創業時期のキャッシュが不安定な時期、支出を減らすことができるかもしれません。

今回は、これから脱サラして起業しようと思っている方へ「健康保険の任意継続制度」について解説していきたいと思います。

僕が脱サラ起業した時の事例も踏まえてお話ししたいと思いますので参考にしてもらえれば幸いです。

継続して被保険者となるための条件

継続して被保険者となるための条件が2つあります。

  1. 会社勤めをしていた時に継続して2ヶ月以上加入の実績があること
  2. 退職日の翌日から20日以内に申請手続きすること

実は、たったこれだけの条件です。
条件としてかなりハードルが低い印象ですね。

任意継続のメリット

任意継続にもメリットとデメリットがあります。その両方をしっかり理解した上で申請をするかどうか決めしょう。

メリットその① 退職時の給与が高い場合は国保よりも安くなる可能性がある

国保は前年の年収に応じて保険料の計算がされるため、国保の方が割高になるケースが多いです。
僕も退職時に計算すると、かなり違ってました(後述します)

メリットその② 扶養者が多いと国保より安くなる可能性がある

国保はそもそも「扶養家族」という考え方がなく、家族個別に保険料がかかってきます。その点、任意継続では会社勤めしていた時と同じ扱いになりますので、扶養家族の多い場合は国保より割安になる可能性があります。

任意継続のデメリット

デメリットその① 滞納に厳しい

保険料は滞納しないのが前提です。これは国保でも同じですが、任意継続の場合は滞納したら即資格喪失になります。

デメリットその② 一度選択すると変更できない

一度任意継続を選択すると、途中で国保に変えたい、誰かの扶養に入りたいという変更ができなくなります。

デメリットその③ 国保の方が安いこともある

国保は前年の年収に応じて保険料が算出されますので、継続2年目(起業2年目)では前年年収が低くなり、かえって割高になる可能性もあります。

デメリットその④ 会社員時代の倍の保険料を支払うことになる

任意継続ですが、会社員の時は半分を会社が負担してくれているので、任意継続の場合は、その会社負担分も自分で負担しなくてはなりません。
なので、シンプルに会社員時代の保険料の倍は支払わなくてはなりません。

僕の場合の事例

僕が脱サラ起業した時は、前年の年収も結構あったし、3人の子供たちと奥さんの4人が扶養者だったため、国保の保険額を計算すると、保険額は上限MAXの年間99万円(家族全員の合計)ほどの保険料という試算になりました。

年間99万円ですよ。
結構な額ですよね。

一方、任意継続を先手くした場合の保険料は、家族全員含めて月額35,130円×12ヶ月=42万1560円となりました。

990,000円ー421,560円=568,440円

も保険代を抑えることができました。

国保の計算例

国保は市町村でそれぞれ独自の計算方式があるようですので、詳しくはお住まいの市町村に確認が必要ですが、一般的な市町村の例を掲載します。

ここに簡易計算表があるので、これを掲載します。

●医療給付費分

丸印の「A」のところには、前年度の年収から下段に記載の控除を引いた額が入ります。
この自治体ではその数字に8.98%を掛けて算出しています。

これに均等割額と平等割額を加えて算出します。
丸印の「B」には被保険者数(扶養者も含めた人数)が入ります。

●後期高齢者支援金分

これも医療費給付と考え方は同じですが、掛ける係数と均等割額と平等割額は違います。

●介護納付金額分

後期高齢者支援金などと考え方は一緒。係数と金額の違いのみ。

医療費給付、後期高齢者支援金、介護納付金の合計金額が年間の国保納付額となります。

各項目に上限額が設定されてますので、上限額を超えると、上限額が適用されます。
(僕は3つとも上限額を突破しました)

任意継続はどこで手続きをするのか?

会社によって社会保険の枠組みが違いますが、大きく分けて2つに分類できると思います。

1つは「協会けんぽ」と呼ばれるもの、もう1つは「健康保険組合」です。
どちらも手続き上は変わらないと思いますので、協会けんぽでの任意継続申請について紹介します。

協会けんぽは各都道府県に支部がありますので、基本的にはそちらへ申請書を提出することによって手続きします。

退職の翌日から20日間と決まっていて、意外と申請期間が短いので、事前に準備して期限を過ぎないようにしましょう。

申請書は各支部に取りに行くか、ホームページからダウンロードもできるので、そちらを使って記入します。

注意点としては、扶養者の収入が分かるものが必要になります。
奥様がパートなどで働いている場合は直近の源泉徴収、子供たちがバイトなどで収入を得ている場合で源泉徴収票がない場合などは、所得証明や課税証明書などの原本が必要です。

また、家族のマイナンバーカード番号も記載する必要があるので、そういったものを事前に準備しておきましょう。

任意継続制度の注意点

任意継続制度の注意点としては2つあります。

1つは、最長で2年間しか加入できないこと。

もう1つは、新たに社会保険の加入者となった場合は資格を喪失するということです。

まぁ、特に気にするほどではありませんが、最澄で2年と覚えておけばいいかと思います。

まとめ

独立起業して国保に加入しようと思うとかなり高額な健康保険費用となります。

もし、試算して社会保険の任意継続の方が割安なら、国保に加入せず、任意継続制度を利用した方がいいです。

僕のように年間50万円以上も健康保険費用を安く抑えることができる場合もあります。

独立起業する人はもちろん、転職する人も念のためこの制度を知っておくと良いかもしれません、

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