ハウスメーカーで見積もり比較(アイミツ)する人は、家づくりを失敗する可能性が大きい
注文住宅で戸建て住宅を建てる時に、いくつもハウスメーカーや地元の工務店などを見学して回ると思います。
各メーカーそれぞれセールスポイントがあって、話を聞くたびごとにすべてのハウスメーカーが良く思えてしまいますね。
いくつか候補となるハウスメーカーを決めたら、一斉に見積もりを作ってもらい、比較して決めていくというやり方をする人がほとんどだと思います。
でも、このやり方だと家づくりを失敗する可能性が高いです。
言い換えると、見積もり比較をする人はすでにハウスメーカー選びを失敗していると言ってもいいです。
家づくり、ハウスメーカー選びで後悔したくないなら、見積もり比較はやめた方がいいです。
元・ハウスメーカー店長が見てきた真実

僕は、元・ハウスメーカーの営業で、最終的にはモデルルームの責任者をしていました。
自営業を廃業した後、ハウスメーカーに入り、在籍7年間でトータル18億2400万円もの売り上げをあげてきました。
僕がお手伝いをさせてもらった中で思ったことは、見積もり比較をしてハウスメーカー選びをしている人は、後から後悔しているケースが多いということです。
みなさん意外に思うかもしれませんが、住宅展示場のモデルルームには、すでに何年も前に家を購入した人もよく見学に訪れます。
本来なら、これから家を建てる予定の人が来場するモデルルームですが、すでに建築済みの方も一定数来場されるのです。
車を購入した後に、他メーカーのショールームへ車を見に行くような感じですね。
なぜ、建築後にモデルルームに来場するのかというと、そのほとんどが今住んでいる家に不満を持っているから見に来るのです。
「本当は、ここのメーカーで建てたかったんだよなぁ」
などと言いながらモデルルームを見て回るのです。
正直、ハウスメーカーの営業からしたら、契約の可能性がゼロであるこの手の人達を相手にするのは迷惑なのですが、嫌な顔をするわけにもいかず、困ってしまいます。
自分で高いお金をかけて建てた家の愚痴を言いにモデルルームへやってくるというのは、ぶっちゃけ「家づくりを失敗」していることに他なりません。
では、なぜこういうことが起こるのか?
それは、見積もり比較をしてハウスメーカーを選ぶからなのです。
実はハウスメーカー営業は全員知ってます…
ハウスメーカーの営業は、全員
「見積もり比較など全く意味が無い」
ことを知っています。狡猾(こうかつ=ずる賢い)なハウスメーカーの営業マンはこれを逆手に取って契約を迫るというテクニックも持っています。
つまり、意味のない「見積もり競争」を希望しているのは、お客様だけということなのです。
この記事で解説する内容について
今回は、元ハウスメーカー店長をしていた僕が、ハウスメーカー選びの時に見積もり比較をしてはいけない3つの理由を解説します。
最後に、ではどうやってハウスメーカーを選べばいいのか?も解説しますので、これからハウスメーカーを選んでいこうという人はぜひ参考にしてほしいと思います。
ハウスメーカーの選ぶ時に見積もり比較をしてはいけない3つの理由

では、早速ハウスメーカーを選ぶときに見積もり比較をしてはいけない3つの理由を解説していきます。
理由その① 見積内容はあくまで概算に過ぎないから
ハウスメーカーの見積もりは、あくまで概算であるということを理解しておかないといけません。
注文住宅は、当然まだ形が出来てないものなので、実際の図面とは違います。
実際には請負契約後、設計の打合せを経て、最終的な図面が出来上がり、そこで初めて正確な金額がはじき出せるのです。
ハウスメーカーを決める段階では家の間取りも決まってないし、内装の仕様も決まってない。住設と言われる設備(キッチンやお風呂やトイレ)だってピンからキリまでランクがあるのです。
土地の形状や打合せの過程で、当初の予想とは似ても似つかない家のカタチになることなどザラです。いや、むしろほとんどがそのパターンです。
家のカタチや仕様が変われば、見積もり金額も大きく変わってきます。
なので、契約前の見積もりなど「超ザックリ」だと思って間違いありません。
そんな見積もりを何社も取り寄せて比較して、何の意味があるのか?ということになるのです。
理由その② 見積もりはいくらでも自由にコントロールできるものだから
これを聞くと、衝撃かもしれません。
家の見積もりなど、どのようにでも作れてしまえるのです。
お客様が2000万円ぐらいでと言われればそのように、3000万以内でと言われればそのように。
もちろん、メーカーによって最低価格のラインはあります。でも、ある程度出来てしまいます。
価格を安く見せかけたいなら、下記のような方法で、500万円~1000万円程度ならある程度カンタンに安い見積もりが作れてしまったりします。
- 注文住宅といいながら「規格住宅」と呼ばれる間取りのパターンからセレクトするような低価格なもので見積もりを作る
- 付帯工事費用や諸費用などはすべて「別途必要」として見積もり計上しない
- 設備費用もモデルルーム仕様ではなく、ベーシックなモデル(安いアパートなどに付いているような設備)にグレードダウンして見積もる
このように、ある程度金額は低く見せることが可能です。
また、ワザと高い見積もりを作っておいて、後からドーンと「値引き」というようなことをして契約を迫る「ふかし値引き」・通称「フカシ」と呼ばれる手法を用いるハウスメーカーもいます。
このように、お客様の意向に沿った見積もりをいくらでも作れてしまうのでそのような見積もりをいくつものメーカーからもらって何の参考になるのか、僕には分かりません。
理由その③ 同じ内容で比較できないから
ハウスメーカーは各社それぞれ仕様が異なります。
使っている材料、設備、柱の太さ、断熱材の種類、補償内容、建材の材質に至るまで全部違います。
仮に、建坪30坪の3LDKの見積もりを作ってもらっても、使っている材料が違うのだから、単純な比較はできません。
当然と言えば当然ですが、安い材料を使って少ない職人で短い期間で突貫工事をすれば安くなりますし、いい材料を使って丁寧な工法でじっくり作れば高くなります。
見積もりでそこまでの違いを判断できますか?
というより、見積もりにそこまでの内容が記載されていることはありません。
単純に合計金額だけを比較するなど、ハウスメーカー選びでは全く無意味。
どんな材料をどのように使って、どんな設備が入るのか?
これをどうやって比較するつもりなのか、想像ができません。
では、どのようにハウスメーカーを選べばいいのか?見積もりはもらわなくてもいいの???

ここまで、見積もり比較をしてはいけない理由を解説してきました。
では、ハウスメーカーはどうやって決めればいいのか?ということについて、僕の考えをお話しします。
ハウスメーカーを選ぶ際に、見積もり比較は意味がありません。
大事なのは、「どのハウスメーカーで建てたいか」を先に決めることです。
複数社の見積もりを見て決めるのではなく、まずは、どのハウスメーカーが自分たちには良さそうかを先に決めるのです。
そして、決めた1社から契約前の最終段階で見積もりをもらうのです。
その時の見積もりは、ある程度具体的な要望を出して作ってもらうべきです。
先に書いたような「概算」をなるべく減らして、本当に建ててもいいような参考プランまで落とし込み、使いたい設備のイメージも伝えて、建築予定地の詳細も見てもらった上で、見積もりを作成してもらって下さい。
その見積金額で、資金計画が成り立つか、つまり住宅ローンの返済などに無理はないかを確認するのです。
家電量販店でテレビを買うように「家を買ってはいけない」
家電量販店でテレビを買うならば、○○メーカー製の△△モデルというように同じものがいくらで買えるのかを見積もり比較して買うのはいいと思います。
僕も価格.comとか良く利用しますし。
でも、「家」を購入する時はそれと同じように購入を決めてはいけません。
テレビは数年で買い替えますが、家はカンタンに買い替えることが出来ません。
住宅ローンなどを組んだら、金融機関の抵当権が付きますので、売却して新しく住替えるなんてことも現実的には難しいケースが多いです。
ですので、見積もり比較ではなく、本当に欲しい家を決めて、それについての見積もりを出来るだけ正確に作ってもらうことがおススメです。
まとめ
ハウスメーカー選びの時は「見積もり比較」をしてはいけない3つの理由
- 見積内容はあくまで概算に過ぎないから
- 見積もりはいくらでも自由にコントロールできるものだから
- 同じ内容で比較できないから
もしも、ハウスメーカー選びで悩んだときは、見積もりよりもまずは、そのハウスメーカーがどんな家を建てるのかをしっかり理解することを優先して下さい。
おまけ:とはいえ、お金のことは心配だよなぁ…という人へ

そうは言っても、ハウスメーカー選びの最終段階で
「やっぱり資金的に無理…」
となるのは悲しいですよね。家を建てる、購入する時には資金計画は避けて通れません。
そういう場合は、自分がどれだけ融資を受けることが出来るのか、銀行はちゃんと貸してくれるのかを、前もって確認しておくことをおススメします。
これを、「住宅ローンの事前審査」と言います。
通常は、借入先の銀行に対して事前審査を依頼していくのですが、もっと手軽に複数の銀行へ一括で事前審査の依頼が出来るサイトがあります。
住宅本舗の「住宅ローン一括仮審査申込み」というサイトがあります。
Web上からカンタンな入力だけで申込みが出来て、複数の銀行の比較も出来ます。
このサイトは、住宅ローンなどの金融商品を管轄する省庁に対し、 綿密な確認を行い、関係省庁、提携している金融機関からの お墨付きをもらっている唯一のサービスです。
国際規格であるISO27001を取得している、安心して利用できるWebサービスなのでおススメです。
家を建てる時のお金のことも心配という人は、手軽に出来ますので一度利用してみるのもいいと思います。
住宅本舗の「住宅ローン一括仮審査申込み」のサイトのバナーリンクを下記に貼っておきます。
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後悔しない家づくりをするために、積極的に行動していくことが大切です。
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