仲介手数料0円(無料)をアピールする不動産屋には行ってはいけない
先日、ネットで不動産関連の調べ物をしていたら、こんなサイト(記事)を見つけました。
大手不動産ポータルのQ&Aコーナーに投稿されていた内容です。
(一部社名などが特定できないようにリライトしてます)
Q(質問者)
現地でオープンハウスしてる不動産会社は仲介手数料がかかってるけど、うちは仲介手数料無料だよ。と言ってきた不動産会社があります。
怪しい詐欺ですか?
A(回答者)
私は仲介手数料無料で仲介業を営んでいる不動産業者の者です。
仲介手数料無料とは、買主から仲介手数料を受領しないで、売主からのみ仲介手数料を受領する片手数料のビジネスモデルです。
従って、仲介手数料無料の不動産会社は、利益が半分なだけで詐欺ではありませんよ。
単純に売上が半分になりますので、仲介手数料無料にする不動産会社は数少ないですが、インターネットとスマホが普及した現代では、我々のような一部の不動産会社で仲介手数料無料や半額のサービスを提供していますね。
仲介手数料も決して高くないので、仲介手数料無料の不動産会社から購入されることをおススメします。
どうでしょう?
結論から言うと、
この回答者の意見は嘘ではないが、正しくもないです。
僕なら、仲介手数料無料の不動産屋へは相談しません。
今回は、「仲介手数料無料」の不動産屋をおススメしない2つの理由を解説していきます。
誤解のないように、あらかじめ言っておくと、仲介手数料無料の不動産屋さんが詐欺とか違法行為をしているわけではない、ということです。
これは、回答者さんが言っているように正しいです。
それでもなお、おススメしない理由があるので、その解説をしていこうと思います。
そもそも「仲介手数料」の仕組みとは?
仲介手数料は、不動産売買の取引をしたときに、宅建業者(不動産屋)さんに支払う「手数料」です。
(今回は賃貸のことは省略します)
不動産売買は、高額である上に、所有権や抵当権などの権利の移動が伴う大変シビアな取引です。
資格を持って、国または自治体に許可を受けた宅建業者が介入(仲介)することで、安全に不動産取引を行ってもらうための報酬だと思ってもらえばいいかと思います。
不動産には、「売る側」と「買う側」の両者がいて、それぞれから不動産取引を円滑にすすめた報酬を頂けるということになります。
これが、仲介手数料の仕組みです。
つまり、仲介手数料は「売る側」からと「買う側」からの両方からもらえるのですね。
これを「両手数料=両手」と言います。
「売る側」と「買う側」のそれぞれに仲介業者がついているような場合は「分かれ」と言って、それぞれついている側の方からだけ手数料をもらう取引もあります。
これを「片手数料=片手」といいます。
仲介手数料の上限は法で決められていて、400万円以上の売買取引では物件価格の「3%+6万円+消費税」となっています。
もし、両手であれば、これが2倍もらえるということですね。
まず、この前提を覚えておきましょう。
「仲介手数料無料」の不動産屋をおススメしない2つの理由
その① 紹介してもらえる物件が限られる
冒頭の回答者さんの言う通り、お客様(買う側)からの手数料は頂かないで、売る側からの手数料だけでビジネスをしているという理屈は分かります。
例えば3000万円の物件の仲介手数料は、
3000万円×3%+6万円+消費税=105万6千円です。
両手はその倍になりますので、211万2千円となります。
なので、211万2千円は頂かなくても、105万6千円だけを「売る側」からもらってビジネスを成立させる。
そのためにネットやSNSを使い経費を抑える。
このビジネスモデルでやっているという訳です。
しかし。
ここで問題です。
売主から手数料がもらえない物件だったらどうするのか?
ということになります。
建築会社やハウスメーカー、ビルダーさんが建てた分譲住宅は、比較的仲介手数料をくれるところがあります。
ただ、メーカーによっては
「仲介業者への手数料なし」
「一律20万円」
など、まともに仲介手数料をもらえないケースも多いです。
さらに、一般の中古物件などでは、ほとんどが売主(売る側)にも仲介業者がついているので、そもそもが売る側からの手数料はもらえない仕組みになっています。
つまり。
仲介手数料無料の不動産屋が、お客様を案内できる物件は「限定される」ということになります。
しっかり仲介手数料をくれる売主の物件しか扱えないことになりますよね。
そうでなければ無償でビジネスをしていることになってしまいます。
なので、マイホームを買う方からみると、多くの物件の提案は受けられないと見た方がいいです。
言葉は悪いですが、不動産屋の都合で物件を押し付けられる可能性があるということです。
その② 諸費用などが割高になる可能性も。。。
これは、全ての仲介手数料無料の業者に当てはまるわけではないですが、仲介手数料を半分しか取らない代わりに、他のことで利益を上げようとしてくる可能性もあります。
リフォーム、保険、カーテン、外構など。
もちろん、妥当な金額で、必要なものならOKですが、しっかり比較検討をして決めないとダメです。
「仲介手数料は無料ですが、当社指定の保険に加入して下さい」
などと言ってくる不動産屋さんは、気を付けた方がいいです。
「相見積もりで比較します」
ときっぱりと言いましょう。それでゴネてきたら、その不動産屋さんとは取引しない方がいいです。
まとめ
いかがでしたか?
マイホーム購入:「仲介手数料無料」の不動産屋をおススメしない理由とは?
①紹介してもらえる物件が限られる
②諸費用などが割高になる可能性も。。。
「仲介手数料無料」は魅力的なオファーですが、せっかくのマイホーム購入を後悔しないために、目先の安さに飛びつかないようにしましょう!
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