離婚した後に住宅ローンのあるマイホームに住み続けたい場合はどうすればいいの?
マイホームを購入した時に思い描いた人生が送れるに越したことはないですが、残念ながらその通りに運ばないこともよくあります。
勤め先が倒産したり、不意に転勤になったり、年老いた両親の介護が必要になったり。
そんなイレギュラーなことの中で「離婚」もよく聞く話です。
日本の離婚率は35%で、年間に20万人以上の夫婦が離婚をしています。
そんな時に頭を悩ませる問題に「住宅ローンのあるマイホーム」のことがあります。
今回は、離婚した時に住宅ローンのあるマイホームに住み続けたい場合はどうすればいいのか?
について解説していきたいと思います。
住宅ローンのあるマイホームは離婚をすると、財産分与の問題や贈与税の問題、銀行への返済の問題など多くの問題が浮上してきます。
いろんなケースが想定されますのでケース別に「住み続ける」ための注意点をまとめていきたいと思います。
離婚をしたけど、住宅ローンの問題を先送りにしてしまっている
離婚を考えているけど住宅ローンはどうすればいいの?
旦那の(奥様の)名義になっているけど、それを変更できるのか?
など、不安要素も多いと思いますので、もしも離婚をしてマイホームに安心して住み続けたい人には参考になると思います。
マイホーム引き渡し後、離婚に関する相談は多い
僕はハウスメーカーで多くの家を引き渡した経験があり、現在でも不動産仲介で何件も住宅購入のお手伝いをしています。
お引き渡し後、意外に多いのが離婚に関する相談です。
購入した家の売却や賃貸に出す相談もあるのですが、「そのまま住み続けたいのだけど…」という方も結構多いです。
その時の状況によっては、どうにも難しいことも多いのですが、ちゃんとした知識があればもっと良い選択が出来たのに、と思うケースもあります。
たいていの場合、結婚を機に、または子供が生まれたのをきっかけにマイホームを購入する人が多いです。
最近は奥様も仕事を持っていて、夫婦の収入を合算して住宅ローンを組んでいる場合が一般的になってきました。
収入合算で住宅ローンの枠を想定していたり、ご主人名義の住宅ローンの連帯保証人に奥様が設定されていたり、夫婦共に収入がある場合には連帯債務で借り入れをしていたりと、住宅ローンでは夫婦で返済していくというのが前提となっているのが基本です。
以前、このブログで「住宅ローンの審査とはどういうものなのか?銀行がチェックするポイントとは?」
という記事を書いた時に、住宅ローン審査のポイントに「家族構成」という項目を挙げました。
その中でも触れたように、家族という単位を住宅ローンでは重視するのです。
その時の記事↓↓↓
なので、離婚となるとその前提が崩れてしまうのです。
住宅ローンをそのままにしてそのマイホームに住み続けるというのは難しいケースが多いです。
しっかり注意点を把握した上で対策を打っていかなければいけません。
離婚後もマイホームに住み続けるための注意点・ケース別解説
離婚後も購入したマイホームに住み続けるための注意点を挙げていきます。
①夫婦どちらか一方が単独で住宅ローンを組んでいる場合
便宜上、ご主人様名義で単独で住宅ローンを組んでいる場合を想定します。
(もちろん、奥様が単独の場合もありますのでその場合はご主人様・奥様を逆にして読んでください)
債務者(ご主人様)がそのまま住み続けるケース
ご主人様単独の名義で住宅ローンを組んでいて、そのままご主人様が住み続ける場合です。
この場合は返済が滞りなく出来るのであれば特に問題はありません。
銀行も一旦ローンを実行してしまっている以上、夫婦が離婚しても特に何も言いません。
注意点としては、住宅ローンはご主人様の単独債務で実行していても、「マイホームの名義は別」という場合もあります。
住宅ローンはご主人様名義だけど、登記上は奥様と共有名義になっているケースですね。
ローンはご主人様が組んだけど、奥様も現金でマイホーム購入資金を捻出している場合は名義を入れることが一般的です。
その場合は、奥様の登記上の持ち分をどうするのかをしっかり協議して下さい。
財産分与として分けるのか、ご主人が奥様の持分を買い取るのか、もちろん、名義はそのままにしておくということも考えられます。
債務者(ご主人様)以外の奥様が住み続けるケース
ご主人様単独の名義で住宅ローンを組んでいて、ご主人様は家を出ていき、奥様がそのまま住み続ける場合です。
この場合、いろんなケースが考えられます。
- ご主人様がそのまま住宅ローンの返済を続ける
- 奥様が現金または、新たな住宅ローンを組んでご主人様から買い取る
- ご主人様と賃貸借契約を交わして家賃を払って住み続ける
この中では圧倒的に(1)のパターンが多いです。
ただ、家を出ていくご主人様は住宅ローンの返済と、新たな生活のための出費と二重にコストがかかるので、現実的には徐々に苦しくなっていくパターンが多いですね。
奥様も、いつ住宅ローンの返済が滞るのかが不安だったり、元亭主の名義のままでは住みたくないと思ったりとなかなか複雑です。
また、住宅ローン完済後はどうするのか、ということも考えておかないといけません。住宅ローンをご主人様が払い続けるということは、所有権もご主人様が持ち続けるということです。住宅ローンが終わって抵当権が外れた時に、その家をどうするのかを事前に決めておいた方がいいです。
(2)に関しては、奥様にそれだけの蓄えがある場合や財産分与で奇跡的に買い取るだけの現金ができた場合は可能です。新たな住宅ローンを組んで買い取るという選択肢もありますが、そのためには奥様に一定の収入が必要です。住宅ローンの残債が少ない場合には十分可能なやり方ですので、ローン残債をチェックして買取可能であれば、いいかもしれません。
(3)はレアケースです。選択肢としてはありますが実際にされている方は、いるのでしょうか?
メリットとしては、賃貸借契約を登記することによって「借地借家法」という法律が適用されることが挙げられます。「借地借家法」というのは借主(借りてる方)が不利にならないように出来ている法律ですので、万が一ご主人様の返済を滞った場合や明け渡しの要望が出ても、保護されます。
(1)のケースで、奥様がそのままでは不安という場合はこのパターンもあると覚えておきましょう。
②どちらか一方の単独債務でローンを組み、一方は連帯保証人になっている場合
ご主人様単独で住宅ローンは組んでいるけど、奥様がその連帯保証人になっている場合です。
基本的には単独債務なので、①の場合と同じです。
ただし、奥様が連帯保証人になっているので、この場合は銀行との調整が必要になってきます。
奥様も離婚した後まで連帯保証人に設定されているのは嫌ですしね。
住宅ローンを借り換えてしまうという選択があります。
現在住宅ローンを組んでいる銀行から、連帯保証人だけを抜くというのは現実的ではありません。
なので、別の銀行で連帯保証人なし、もしくは別の親族を連帯保証人に入れて借り換えるという方法があります。
ただし、いくら親族でも夫婦以外の人を連帯保証人にしたいという申し出を受けてくれない銀行もありますので、注意が必要です。
また、借り換えの手数料もかかりますのでそのコストも見込んでおかないといけません。
③夫婦で連帯債務を組んでいる場合
連帯債務とは、夫婦でそれぞれ持ち分を決めて住宅ローンを組んでいる場合ですね。
例えば3000万円の住宅ローンを50%づつの持分で連帯債務を組んでいる場合は、ご主人様が1500万円、奥様も1500万円の住宅ローンを背負っている形になる、というものです。
もちろん、そのままの形でどちらかが住み続けることも可能ですが、すっきりしたい場合は、相手方の債務を買い取るということを考えるといいかもしれません。
要は、どちらかの単独債務となるということですね。
ただし、これも簡単にはいきません。
銀行側がOKしてくれないとダメだからです。
住宅ローンを組んでいる銀行に相談して、債務を買い取って一本化出来ないか相談してみて下さい。
もちろん、その後住み続ける側の名義での一本化なので、そもそも収入的にみて一本化すると「オーバーローン」になる場合は不可能です。
離婚後もしばらくは連帯債務のまま返済を重ねて、残債が少なくなったところで一本化するということが現実的かもしれません。
【離婚・住宅ローン対策センター】に相談するのも一つの方法
今回は、住宅ローンのあるマイホームに住み続けるための注意点を解説しました。
ただ、いくら夫婦間で悩んでも解決できないこと、分からないことも多いです。
そのために最良の選択肢を選ぶことができず、離婚後も住宅ローンだけ払い続けたり、お金を払ってまでマイホームを処分(お金を払ってですよ!)する人もいます。
そうならないために、専門家に相談するのが本当は一番です。
僕のような不動産業に従事しつつ行政書士もやっているような「家」と「離婚などの民事」の両方について詳しいプロが身近にいればそういった人に、相談してみて下さい。
もし、身近にそういった専門家がいなければ、全国対応で無料相談から受け付けてくれる
「離婚・住宅ローン対策センター」に相談するのがオススメです。
離婚・住宅ローン対策センターは住宅ローンの専門家で、今までに400億円以上の実績があります。
もし、離婚後も住宅ローンのあるマイホームに安心して住み続けたいという人は、一度無料相談をしてみるといいかと思います。
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