昭和のモーレツ押し売り営業スタイルでは売れない時代なのか?
今でも営業マンといえば、立て板に水のような「まくしたてる」営業トークでモーレツに売り込む人。というイメージが残ってますよね。
事実、営業の仕事をしていると言うと「しゃべりが上手なんでしょうね」「説得する技術があるのでしょう?」とか言われたりします。(これ、ホメられてはないですよね???)
昔は、お客様の自宅へ上がり込んで「契約するまで帰らない」というような、今なら(昔でも?)犯罪のような営業スタイルがあったと聞きます。
それは真実なのかどうかはおいといて、「押し売りスタイル」のイメージが「営業」の仕事には付きまとって離れてない現実はあります。
では、今の時代は「押す」よりも「引く」営業スタイルの方が成果が出るのでしょうか?
引くスタイルとは、押すのとは逆に、クロージングで詰め切らないで、お客様のタイミングを待つスタイルですね。
悩んだ営業スタイル
僕もこの「押し」と「引き」のスタイルはどちらがいいのか迷った経験があります。
新人の頃は分けも分からず「押しまくり」営業でした。
そのうち、押しまくりではお客様に嫌われるケースが多くなり、押さずに引いてタイミングを待つスタイルに切り替えました。
そうすると、お客様には嫌われないのですが、営業成績がさっぱりになってしまいました。
ある時お客様から「井ノ口さんは全くプッシュしてこないけど、なぜ?」と聞かれたことがあります。
よくよく聞いてみると、僕が強くプッシュしてこないから、自分たちは嫌われているのかも?と思っていたそうです。
僕は、びっくりしました。
押さないとお客様は「自分たちはどうでも良いお客なんだ…」と思うこともあると知って、あらためて考えさせられました。
同じような悩みを抱えている営業マンはいませんか?
この記事では、押しの営業と引きの営業はどちらが良いのか?ということについて書いていきます。
あくまで、僕の実戦での経験を元に書いてますので絶対的な正しさは担保できません。
ただ、実際に経験したことなので、
- クロージングが切り出せずに悩んでいる
- お客様に「しつこい」と思われそうで怖い
- お客様のタイミングを待っていてもその後契約には至らないことが多い
こんな悩みを持っている方なら、何かの参考になるかと思います。
お客様に嫌われない「押しの営業」スタイルが最強
結論から言うと、営業は「押し」が肝心です。
押さずに営業活動をしていいると、せっかくの契約チャンスをミスミス逃してしまうことが多くなると感じています。
お客様は最終的には営業マンから「押してほしい」「プッシュしてほしい」と願っているところがあります。
あとほんの少し背中を押してくれさえすれば、決めていたのに…ということが非常に多いと思います。
事実、僕もそうでした。
押しまくっていた時は、お客様から煙たがられもしましたが、一定の成果は出ていました。
押さない営業スタイルに変えてからは、お客様から嫌われないけど成果も出ない「鳴かず飛ばずの営業」になってしまったのです。
ここ一番「契約お願いします」といった「押し」が出来る営業マンが契約を取っていきます。
とはいえ、押し方にも2つポイントがある
とはいえ「強引に契約を迫れ」と言っているのではありません。
「押す」にも上手にやるポイントがあります。
そのポイントは2つあります。この2つのポイントを押さえて押してあげれば失敗は少なくなります。
押し方のポイントその①
「自分都合で押し売りしない」ということです。
お客様の立場に立って、押してあげるというのが重要です。
つまり、お客様のメリットがあることでしか押してはいけないということなのです。
どういうことかというと、
今月契約お願いします!契約取ってこないと上司がうるさくて…お願いします。。。
これでは、営業マン都合です。
営業マンが上司に怒られようがどうしようが、お客様には関係ありません。
いわば、営業マン自身のメリットでしかないのです。
そうではなくて、
今月のご契約でいかがでしょうか?
今月ご契約されれば、当初の予定通りの納期に間に合いますし、今月限りのキャンペーンもご利用いただけます。
だと、お客様にとって、今契約することがメリットだということになります。
この押し方ならお客様にも嫌われません。
押し方のポイントその②
「押しは最後の最後で」ということです。
いくら押しの営業がいいとはいえ、のべつ幕なしに押しまくっていてはお客様もうんざりしてしまいます。
「押す」タイミングは商談の一番最後、クロージングの大詰めです。
今まさに、契約を決断しようかどうしようかというタイミングでグッと押して差し上げるのです。
チャンスは1回きりと思ってもらっていいです。
それまでは、一切グイグイ押すことは避けて、むしろ引き気味に商談を進めておくこと。
そして、最後の最後で、一転「押し」に変わるのです。
これが効果的な「押し」の使い方となります。
「嫌われない押し」スタイルを実践してみて
僕は押しの営業スタイルをやめてから、低迷していた営業成績が、「押し」のスタイルに戻してから予想通り改善しました。
以前のようにガリガリ押しまくるスタイルから、上記のような「嫌われない押し」のスタイルにしたのが良かったです。
正直言うと、営業職に転身してからは「可もなく不可もなく」な成績だったのですが、この「嫌われない押し」に変えた3年目から営業成績が急上昇したのです。
また「クロージングしても契約までには至らなかったお客様」からのリターン(しばらくしてからまた商談してもらえる)が増えました。
押しまくるのは嫌われる。押さないのは消えていく。なので、嫌われない押しが出来る営業が最強なのです。
今日からできるアクションプラン
押しの営業スタイルか、引きの営業スタイルか、で悩んでいる営業マンにぜひ実践してもらいたい「トーク練習」があります。
BYAF法の練習
それは、BYAF法といわれるテクニックです。
BYAFとは「バット・ユーアー・フリー」の頭文字を取ったワードです。
直訳すると「だけど、あなたの自由です」となります。
つまり、いろいろおススメしているけど、最終的にはお客様が決めてください、という意味です。
これは、購買心理学、説得の心理学でも証明されているようで、この言葉を最後に添えるだけで、成約率が50%上昇するとのことです。
なので、今日から、営業トークの最後に必ず「最終的にはお客様のご判断でお決めください」と添えて締めくくる練習を繰り返してみてください。
これは、最終的にはお客様の判断にゆだねることになるので、たとえ押しまくっていたとしても、反発を感じにくくなります。
お客様は他人から「決めさせられた」とは思いたくなく、「自分で決めた」と納得したいのです。
あと一歩のところで契約を逃している営業マンは、これだけで取りこぼしが劇的に少なくなりますよ!
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