ルート営業は「楽」だと思ってますか?
営業職に就きたくない!
そういう人の一番の理由は
「数字に追われるのがイヤ」
ということが多いかと思います。数字に追われて、ノルマを課されて、達成しないとキツイ叱責を受ける。。。
まぁ、これが営業職を敬遠する大きな理由なのでしょうね。
では、実際にはどうかというと、そんなことはありません…
と、言いたいところですが、残念ながら大なり小なり数字に対してはシビアに求められるのが営業職の宿命です。
昔のように、ノルマを達成できない営業は精神的にも肉体的にも折檻をうける、といったブラック気質はさすがに少なくなっては来てるはずですが(ほぼ無くなっていると思う…)、数字が上がらないと精神的なプレッシャーがのしかかるのは否定できません。
そうはいっても、事務仕事のような仕事は向いてなさそうだし、肉体労働もちょっと無理。
というような人に意外に人気のある職種が「ルート営業」です。
一日中デスクにかじりついていなくてはならない訳ではないですし、肉体労働のような過酷さもない、さらに、いわゆる営業職のような新規顧客を成約できないと叱責を受けるようなこともない。
適度に外回りをしつつ、注文を取ってきて納品するだけ。
そんなイメージでしょうか。
事実、ネットで「ルート営業」を検索すると
「楽」
「精神的に追い込まれない」
「売り上げが立ちやすい」
などいうワードがヒットしてきます。
では、果たして本当にルート営業は「楽」で「精神的に追い込まれ」ず、「売り上げが立ちやすい」というだけの仕事なのでしょうか?
正直、そういう側面もゼロではないと思います。
ただ、ルート営業はネットで言われているほど、または世間で思われているほど楽な営業職であるとは思えません。
僕自身、その昔、広告制作会社で働いていたことがあって、担当のクライアントに対して「ルート営業」的な仕事をしていた経験があります。
今回は、ルート営業に対するトンデモない勘違いを3つほど挙げていきたいと思います。
決してルート営業が想像されるようなお気楽な仕事ではないということを知ってもらえれば幸いです。
ルート営業に対するトンデモない勘違い①
高いコミニュケーションスキルが必要
僕はある意味新規、メインの営業職よりルート営業の方が高いコミニュケーションスキルが必要だと思っています。
新規営業は見込み客をクロージングまで誘導して、購入の意思決定をしてもらうのがメインの仕事です。
と、なれば購入の意思のないお客様は見込み客から外せばそれで終わりです。
言葉は悪いですが、見込みから外してしまえばもう二度と会わなくたっていいのです。
つまり自分からお客様との商談を打ち切る事が出来るのです。
(もっとも、そんな事ばかりしてると成績は伸びませんが…)
その点、ルート営業は勝手に商談を打ち切ることなど出来ません。
いつもの担当者とある程度の期間長くお付き合いをしていかなくてはならないのです。
短期決戦的な営業ではないですし、販売したら終了というわけではなく、延々と注文を頂き続けなくてはならないのです。
そうなると、すぐにボロがでてしまうような上っ面のコミニュケーションでは信用されません。
つまり、どんな相手が担当者でも上手く合わせていける対応力が必要不可欠です。
誰からも嫌われない、温和なコミニュケーションをしていかなくては務まらないのです。
ルート営業に対するトンデモない勘違い②
以前の担当者と比較される
新規営業と違って、ルート営業は担当者が変わりながらも長く企業同士が取引をすることが特徴です。
自分の前にも担当者がいますし、ゆくゆくは自分の後任担当もつくことになります。
そうなると
「前の○○さんはここまでしてくれたけど…」
「今まではそんなこと言われたことないですが…」
などと、以前の担当さんと比較されてしまいます。
明らかに非効率的な対応だったり、ナァナァのお友達のような対応をしていたり、以前の担当がそんな仕事をしていたら、たまったものではありません。
とはいえ、「そういうやり方は私はしませんので」などと強気に言えるわけではないのが現実です。
そうなると、上手く以前の担当さんのやり方を取り入れて少しづつ自分のやり方に変更していくしか方法はありません。
また、人は変化に厳しい側面があるので、どんなに頑張って尽くしても初めはネガティブな評価をされがちです。
そこをどうやって付き合っていくのかが試されるところです。
ルート営業に対するトンデモない勘違い③
ミスした時の損失が大きい
ルート営業はミスが許されない営業だと思っていいと思います。
もちろん、どんな営業職でもミスはない方がいいです。
新規営業の場合はミスしても挽回できるチャンスは意外に多いですし、最悪、お客様に嫌われて契約できなかったとしても、新しい売り上げが立たなかったというだけで終わります。
その点、ルート営業は長く取引をして、年間の売り上げ予測まで弾いてる場合も多く。ミスした損失を被ると一転赤字になり、取引をした分だけマイナスになってしまうケースもあります。
最悪なケースだと取引停止となり、販路を1つ失います。
定期的に注文を頂けるような顧客を獲得するのは営業的にも難易度が高いですし、また安定して利益を得られるようになるまで長い時間がかかります。
つまり、ミスが許されないプレッシャーと闘わなくてはならないのです。
まとめ
ルート営業は、世間で思われているほど簡単な仕事ではないと思います。
それだけにやりがいも大きいのですが、安易に「楽そうだから」という理由でこの仕事を選ぶと確実に痛い目にあうと思います。
ルート営業は、
①高いコミニュケーションスキルが必要
→誰にでも合わせられる対人力
②前の担当者と比較される
→過去の担当者のやり方を踏襲しつつ自分のやり方を作り上げる柔軟性
③ミスした時の損失が大きい
→ミスなく細かいところにも注意を受けられる気配り力
こんな勘違いをしないで、顧客との関係をより強固なものにしていく。
先方もこちらもともに未来へ向けて発展していこうという思いで仕事をすれば、ルート営業もすごく面白い仕事になります。
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