PDCAサイクルは「もう古い」という声は本当か?
「PDCAサイクル」
ビジネスの現場で一度は聞いたことがあると思います。
現在でもPDCAを取り扱った書籍が本屋に並んでいるところをみると、非常にポピュラーで注目度も高いフォーマットなのかなと思います。
ただ、その反面「PDCAはもう古い」という声もネットなどでは目にします。
本当のところはどうなのか?
働き方も変わりつつある現代で「PDCAサイクル」は使えるフォーマットなのかを考えてみたいと思います。
僕自身、20代の頃に初めてPDCAというものを当時の上司から教えてもらって、幾度となく実践してきました。
今ではあまりPDCAを意識して仕事はしてないですが、つい最近ある経営者の経営計画の中に
「PDCA」を強固に回す
という文言を見つけたので、ちょっと思い出したというか、興味がわいたので改めて考察してみようと思ったわけです。
そもそもPDCAとは何なのか?
PDCAの解説
PDCAとは4つのワードの頭文字をとったものもです。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
この4つ、計画→実行→評価→改善を一連の流れで実践するフォーマットです。
改善→計画→実行…と延々と繰り返されるので「PDCAサイクル」とも言われています。
1950年代にアメリカの統計学者・デミング博士によって考案された手法で、品質管理の現場などで採用され始めたと言われています。
現在は幅広いビジネス分野、スポーツ、勉強の分野でもこの考え方を取り入れてある意味スタンダードになっている感はあります。
Planでは、目標の設定と実行計画、
Doでは、計画の遂行とその記録を残す、
Checkでは、目標達成の度合いと、行動分析を、
Actionでは、そこまでの評価をして成功と失敗の振り分けを行います。
過去にPDCAを実践してみての感想
僕自身、若い時から何度もPDCAサイクルで仕事の目標設定と実行を行ってきました。
何人かのPDCAが大好きな上司にも仕えてきたので、PDCAについてはある意味かなりの経験者だと思っています。
何度も実践してみて思うのは、いつ実践しても最終的には「尻切れトンボ」になってしまうというのが率直なところです。
正直、あまり有効に作用した印象はありません。
気合を入れてPlanを立ててDo=実行するのですが、検証と改善が結局主観的になってしまい、曖昧なまま、何となく立ち消えていく…そんなことの繰り返しだったように思います。
結論:PDCAはもう古いし、有用ではない
結局、僕の結論としては「PDCA」の概念はもう古くて使えないということになります。
PDCAが古く、有用ではない3つの理由
その① 現代のスピード感に合ってない
PDCAのフォーマットは、現代のスピード感にはマッチしてないと思います。
じっくり計画を立て、慎重に実行し、あらゆる角度から検証を行い、改善点を浮き彫りにして、次の計画に役立てる…
なんと「のんびり」した仕事なのでしょうか。
計画を立てているうちに、
競合が市場に打って出る、ライバルがお客様にリーチしてしまう、すでにシェアを奪われてしまう、そんなことが起こってしまいます。
PDCAを考えているうちにライバルはもう動き出している。
動き出しのリードタイムで勝敗は決まる。現代の仕事はそういうスピード感で動いていると実感しています。
そんな時代にはPDCAはもはやフィットしないのではと考えます。
その② 前提のPlanのミスを修正できないシステム
PDCAサイクルを回していくうえで、まず最初の「Plan=計画」がズレていたり、間違っていたら、延々と誤ったループを回り続けることになります。
そもそも、PDCAは最初の「計画」が正しく行われ、それに基づいた行動の検証→改善を次の計画に活かしていくという流れです。
つまり、最初のPlan=計画が間違っていたら、その間違いの上に改善を重ねていくことになるので、計画のズレを修正する機会がありません。
現代はスピーディな「トライ&エラー」が求められるので、ポイントごとにゼロベースでの改善思考が必要です。
最初の計画の上に改善を重ねていくPDCAはリスクが高過ぎると言わざるを得ません。
その③ 改善点が主観的かつ曖昧になりがち
これは、過去に自分が経験したところでも書きましたが、検証と改善は主観的になりがちです。
また、CheckとActionの区別もつきにくく、サイクルを回せば回すほど業務が曖昧になってきてしまいます。
数字でしっかりと評価を出来るシステムがあれば、まだいいのですが、営業部門などは数字だけでは正確な現場判断が出来る分けではないので、どうしても曖昧になってしまいます。
この3つの理由から、PDCAは古く、有用ではないと考えます。
とはいえ、使い方によっては有効な場合も。
結論としてPDCAは古くて使えないと言いましたが、実は使い方によっては、というよりは、業務の種類によっては有効に機能することもあります。
例えば、すでにルーティン化した仕事の業務効率化
事務処理やバックヤードでの営業支援など、すでに目的とゴールがはっきりした業務については「PDCA」の考え方は有効です。
日々の業務の中で改善点を見つけ、仮説を立て、実行と検証を繰り返し、業務の効率化を図っていくような仕事です。
これなら、PDCAサイクルは有効に機能すると思います。
営業の現場であえて言うなら、「PDCA」ではなくて「DADA」ではないでしょうか?
思い立ったらまず行動。
そしてすぐに改善してまた行動。
Do→Action→Do→Action→…のサイクルです。
これぐらいのスピード感は欲しいところです。
まとめ
PDCAサイクルは古くて使えないし、有用ではない。
ただし、ルーティン化されたような業務の効率化であれば、有効に機能する。
営業の現場は、DADAサイクルでちょうどスピード感は合う。
PDCAサイクルは現代ではスピード感に欠けます。
爆速でPDCAサイクルを回すことが出来れば、別ですが…
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