お客様のニーズに対する勘違い

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お客様のニーズお聞きしてますか?

営業の現場では、
「お客様のニーズを探れ」
というようなことがよく言われます。

実際に営業の仕事をしている人でしたら、一度ぐらいは言われたことがあるのではないでしょうか?

それと同じぐらい
「お客様のニーズを引き出せ」
とも言われませんか?

どう違うかというと、
「ニーズを探る」方はすでにあるニーズを聞き出すということ。
「ニーズを引き出せ」は、潜在的なニーズを浮かび上がらせること。

こんな感じでしょうか。

いわゆる、前者は「顕在的なニーズ」で後者は「潜在的なニーズ」ということになります。

しかし、これ、僕はどちらもイマイチだと思っています。

ニーズを探ったり引き出したりするような作業(あえて作業と言います)は当然営業マンならだれもが実行していることだと思います。

お客様自身がどんなニーズが自分にはあるのかが分かっていないケースが多いです。
そのために、どんなニーズがあるのかをヒアリングするのは至極当然と言えば当然ですね。

ただ、そこから出てきたニーズはかなりの確率で曖昧な的外れなものが多いです。
仮にそうでなかったとしても、素人考えの非常識なものだったりすることも多いです。

また、潜在的なニーズと言われても、お客様がそんなことを考えたこともなければそもそもそんなニーズを引き出せる訳はありません。

しかも、そのニーズはお客様のほんの思い付きであるケースも珍しくなく、そのニーズに沿って提案したことが「ちょっと違うな」の一言でひっくり返ることも普通にあります。

つまり顕在化であろうが、潜在化であろうが「ニーズ」に合ったものを提供しようとしている以上、お客様が納得されて成約に至る確率は高まらないということです。

お客様のニーズを探っているうちはイマイチ

では、ニーズは不要か?
といえば、そうではありません。

最終的にはニーズ、つまり必要だと思ってもらわなければ購入には繋がりませんね。

ニーズは必要だが、探ったり引き出したりするのもイマイチ。
では、どうすればいいのかというと、

「ニーズは作り出す」

これに尽きます。

お客様に新しいニーズ(必要性)を感じてもらってはじめて、成約に結びつくのです。

つまり、新たな価値観を生み出すことこそ、営業の腕の見せ所なのです。

ニーズはお客様の中にあるというよりは、お客様の状況をヒアリングして、それに対する新しい価値観を提案するのです。

お客様が想像もしてなかったけど、言われてみれば確かに、という提案です。

僕が住宅営業で経験したことをお話しします。

住宅営業をしていた時に、モデルハウスへ来場されたお客様家族(ご夫婦と小学生のお子様2人、おじいさまとおばあさま)は、今のお住まいを解体しての建て替えをご希望されていました。

郊外の広い敷地に築50年以上のお宅が建っていて、それを壊して完全二世帯住宅を希望されていました。

お話を聞くと、玄関もお風呂もキッチンもすべて2つある完全分離型の二世帯をご希望されていました。
おじい様とおばあ様は1階、息子様ご家族が2階に住むイメージだったのですが、迷われていたのは、生活音などもすべて遮断できるのかということと、1階のおじい様世帯はさほど広くなくてもいいけど、2階のご家族は多くの部屋が必要ということでした。

1階が小さくて2階が大きな家など、現実的ではないですし、完全二世帯とはいえ、生活時間帯も違う家族が一緒に住むとなると音を完全に遮断することは不可能です。

事実、他社を回ってもなかなか満足いく提案はないようで、どうしようか迷っているとのことでした。

僕は、敷地も広いし、完全二世帯ですべてを2つづつ取り付けるとオプション料金も増えるので、同一敷地に小さな平屋+家族世帯の2階建ての2棟建築の提案をしました。

価格も大きな二世帯を1棟建てるのとさほど変わらなかったので。

すると、「そんなことは考えもしなかったけど、確かにそれはいい!」
となってご契約になりました。

※おかげで僕は一度に2棟分のご契約を頂いたことになります!

こういう新しい価値観をご提案できてこそ、成約に結びつくのです。

ニーズは探ったり、引き出したりするものではなく、新しい価値観(=ニーズ)を生み出すことこそ、営業成績の違いとなって表れるものです。

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