宅建を独学で合格するのは、5ヶ月あれば何とかなる
不動産関係の仕事をしているならもちろん、建築業、金融業などにも人気の資格「宅地建物取引士」(略称:宅建)
独占業務のある国家資格ですので、それほど簡単な試験ではありません。
年に1度しか試験が開催されないので、試験に失敗するともう一年待たなければやり直せません。
なので、できれば、一発で合格を勝ち取りたいところですね。
宅建の試験に関しては、僕の知り合いの人は13回目にしてようやく合格したとか、資格学校に年間何十万もつぎ込んでいるのに、3年も不合格が続いているとか、そういう人も実際にいます。
ただ、誤解を恐れずに言えば、「宅建の試験は5ヶ月あれば独学で合格できる」と断言できます。
もちろん、何の努力もなしに合格は出来ません。
「正しく努力出来れば」という条件は付きます。
それさえできれば5ヶ月の独学でも十分合格することは可能です。
この記事では、宅建の試験を5ヶ月の独学で合格する勉強法について紹介していきます。
宅建の試験は簡単ではないものの、間違ったやり方さえしなければ合格はさほど難しくありませんので、この記事を参考にして試験にチャレンジしてほしいです。
僕が宅建を受験した時の話
僕が宅建試験を受けたのは2014年です。
ハウスメーカーに転職して1年半がたった2014年の5月に、宅建の勉強をスタートさせました。
試験本番は10月の中旬だったので、ちょうど5ヶ月の期間が残されていた感じです。
ハウスメーカーに勤務していたので、多少は知識的にも大丈夫かと思っていたのですが、いざ勉強を始めてみると全く「チンプンカンプン」だった記憶があります。
当時は、仕事でもまだ覚えることも多く、夜も遅くまでハードワークをしていたころだったので、毎日の勉強時間の確保が難しかったのを思い出します。
それでも、5ヶ月独学で勉強して、無事、その年の試験に合格出来ました。
僕が実践した勉強法が絶対に正しいとは言いません。
他にもっと効率的で正しい勉強法があるのかもしれません。
ただ、僕は自分で実践した方法が、働きながら宅建の資格を取るには一番良い方法だと思ってます。
人によって合う合わないはもちろんあるので、このやり方を押し付けたりはしませんが、「働きながら」「短期間で」「独学で」宅建の合格を目指すなら参考になるかと思いますので、最後まで読んでもらえたらうれしいです。
準備する教材などは?
勉強をするにあたって、教材を準備しなくてはいけません。
とは言え、準備する教材は2つだけでいいです。
1つは、過去問題集
2つ目は、過去問題集と同じ出版社(同じシリーズ)のテキスト
たったこれでだけです。
どんな問題集を使えばいいの?
ということを気にされる人もいますが、正直、どこの出版社の問題集とテキストでもいいです。自分が読みやすいと思うものを準備してください。
ただし、問題集とテキストは同じ出版社から出ている、同一シリーズのものにしてください。
当面はそれだけでいいです。
試験が近づいてきたら、少し別の教材が必要ですが、それは後ほど説明します。
ちなみに、宅建受験生に評判の良いテキスト&過去問題集シリーズを紹介しておきますので、参考にしてください。
では、さっそく勉強法について説明していきます。
宅建試験を5ヶ月の独学で一発合格する方法
今回は、勉強を始めてから試験本番までの5ヶ月を4つの期間に分けて、それぞれの時期にどんな勉強をしていくのかを解説していきます。
宅建の試験は通常10月の第3日曜日なので、逆算すると5ヶ月前はゴールデンウィークが終わった5月10日前後が勉強スタートの時期となります。
なので、5月中旬から勉強をスタートしていくという想定で解説していきます。
第一期 5月中旬~6月末(1ヶ月半)
この時期のポイントは、勉強する習慣をつけることが最大の目標です。
この時期を失敗してしまうと、5ヶ月で合格するプランは完全に破綻しますので、一番大事な時期と思ってもらってOKです。
では、どんなことに注意するのか?
注意するポイントは5つあります。
- 30分以上勉強しない
- 分からなくても気にしない
- 問題集は答えを見てから問題を読むこと
- とにかく毎日問題集を開くこと
- その場で覚えようとしないこと
この5つを解説していきます。
①30分以上勉強しない
勉強を始めたころは、気合もやる気もありますので、つい、長く勉強したくなってしまうものです。
ただ、いきなり長くやってしまうと、100%長続きできません。
とにかくこの時期は勉強の習慣をつけることが最大の目的なので、一回の勉強時間を長くやるよりも、例え5分でも、3分でもいいので、毎日勉強する(問題集を開く)ということを第一に考えてください。
なので、あえて、30分以上は勉強禁止です。
下限はありません。
何分でもいいです。1分でも2分でもいいので、毎日問題集を開いて下さい。
②分からなくても気にしない
問題集やテキストを読んで、さっぱり分からなくても気にしないことが大事です。
分からないと、不安になったり、理解しようとしたりしますが、そこまで理解などしなくていいです。
「分からない」と思っても、どんどん先へ進んでください。
ただし。
勘違いしてはダメなのは、分からないからと言って、問題集やテキストを眺めて終わりにしてはダメです。
分からなくてもいいので、とりあえず、文字はしっかり読んでください。
「分からなくてもいいので先に進んで」と言いうと、読まずにサーッと眺めて終わりみたいな人がいますが、これはダメ。
わからなくても文字は読む、と心得ましょう。
③問題集は答えを見てから問題を読むこと
こう言うと、「それでは問題集の意味がないじゃん」と思う人も多いみたいです。
でも、これ絶対におススメです。
僕たちは、問題があるとつい「正解を当てたくなる」生き物です。
なので、問題集はつい、考えたり勘を働かせたりして答えを当てようとしてしまいます。
正直、ムダです。
どうせ、最初は分からないのですから、考えてもムダ。
勘を頼りに4択を正解したところで、全く意味なしです。
それよりは、答えを見てから問題を読んだほうが、実際の試験には役に立ちます。
答えを見て、問題を読むと、問題の意図が分かりやすくて、後々の理解の助けになります。
④とにかく毎日問題集を開くこと
勉強する習慣をつけるために、とにかく毎日問題集を開くことを最大の目標にしてください。
極端なことを言えば、問題集を開いた時点で目標達成。
そのまま閉じて寝てもいいぐらいです。
飲み会だから、
体調が悪いから、
気分が乗らないから、
前日にたくさん勉強したから、
こんな言い訳はダメです。
たとえそうであっても一度は問題集は開いてから寝ること。
これを徹底してください。
⑤その場で覚えようとしないこと
勉強を始めると、その場で片っ端からノートなどにまとめて、覚えようとする人がいますが、やめてください。
その場で覚えようとしなくていいです。
とにかく、先へ進んでください。
ちなみに、ノートにまとめることもやめてほしいです。
ノートにまとめるぐらいなら、問題集やテキストに直接書き込んでほしいです。
勉強していくと、書き込みだらけの問題集やテキストの方が記憶に残りやすいと分かると思います。
キレイにまとめたノートは、まとめたことで満足してしまうので、後から思い出すことが難しくなります。
テキストなどに書き込んだ文字は、不思議とその書き込んだ文字が写真のようにイメージとなって頭に焼き付きますので、おススメです。
第一期は、勉強する習慣をつけることが最大の目標。
分かる分からないは全く気にしなくていいです。
第二期 7月~8月(2ヶ月)
第一期で勉強の習慣が出来たら、第二期です。
ここでは、勉強できる体力をつけることが最大の目標です。
勉強できる体力をつけて、自分の得手不得手の分野を理解するようにしていきます。
第二期のポイントは3つです。
- 1回の学習時間を60分程度にまで伸ばす
- 過去問題集を通しで2回は繰り返す
- この時期は問題を読んで、答えを出すようにする
この3つを解説していきます。
①1回の学習時間を60分程度にまで伸ばす
ここでは、一日の学習時間を60分程度にまで伸ばしましょう。
えーっ!そんなに時間取れないよ…
と思う人も多いかと思います。
確かに、1日60分というのは決して簡単に確保できないかと思います。
でも、これぐらいの時間をやらないと、勉強の体力がついていきません。
宅建試験は試験時間が120分(2時間)です。
この120分でも50問の問題を解くのにはギリギリです。
単純に1問あたり2.4分。
つまり、1問あたり2分半を切るのです。その間に、長い問題文を読み、4つある選択肢を読み、正解をマークシートにマーキングしなくてはなりません。
それだけ集中しないといけないのです。
60分の勉強時間を2ヶ月続けてもその「体力がつくかどうか」は微妙だと思ってください。
なので、大変かとは思いますが、最低でも毎日60分は勉強時間を確保してください。
②過去問題集を通しで2回繰り返す。
決して、あれやこれやと新しい問題集を買わなくてもいいです。
最初に買った問題集を繰り返し使って下さい。
ここが正念場ですが、その問題集を2周り繰り返してほしいです。
間違った問題や、分からなかった問題にはチェックマークを付けておきましょう。
ここがクリアできるかどうかで合否が決まります。
③問題を読んで答えを出すようにする
この時期は、普通に問題を読んで答えを出すようにしてください。
ただし、あまり熟考しなくてもいいです。
問題を読んで分からなかったら、飛ばしてサッサと答えを見て次の問題に取り掛かって下さい。
大事なのは、問題集を2回繰り返すことです。
間違っていても、分からなくても気にしないでください。
この時期が合否に直結する時期です。
ここの時期の勉強が一番苦しいかもしれません。
仕事が忙しかったり、疲れていたりしてなかなか思うように進まないかもしれません。
やってもやっても不正解ばかりで嫌になるかもしれません。
でも、気にしないで、1日60分以上頑張りましょう。
第三期 9月(1ヶ月)
この時期は、実は一番覚えたことが定着する時期です。
ここへきて、急に理解できるようになることも増えてきたりします。
この時期のポイントは3つです。
- 模擬問題を解く
- 試験時間と同じ120分で解いてみる
- 大事なのは模擬問題の点数ではなくて、テスト直し
この3つを解説していきます。
①模擬問題を解く
冒頭で、試験が近づいてきたら別の教材が必要と言っていたのが、この「模擬問題」です。
「模擬問題」とは、夏以降になると、本屋さんなどで「宅建試験予想問題」などいった冊子が何種類も発売されます。
おおむね、予想問題が本番試験と同じ50問作成されていて、それが3回分1冊となって販売されています。
これを1種類(1冊)でいいので購入してください。
それを解くことがこの時期の最大の目標です。
②試験時間と同じ120分で解いてみる
せっかく、本番と同じ形式の予想問題なので、本番と同じ120分をきっちろ計って解いてみてください。
本番の試験と同じつもりで、途中で休憩などせず、120分通しで解くのです。
意外と時間に余裕が無いのが実感できると思います。
③大事なのは模擬問題の点数ではなくて、テスト直し
「テスト直し」という表現は、正しいのかどうか分かりませんが、要はテストの答え合わせをした後の復習です。
予想問題集には問題の詳しい解説が必ずついてきます。
模擬問題ですので、答え合わせをしたら、点数も出ますがそれはあまり気にしなくていいです。
なぜなら、予想問題集は本番試験よりもかなり難易度を上げているケースがほとんどだからです。
予想問題集を販売している出版社の意地もあるのでしょうが、「あまりに簡単な予想問題集は売れない」という事情もあるようです。
難易度として、難しい方が受験生には好まれる傾向にあるようです。
なので、ある程度は出来なくても仕方ないと割り切るのがいいです。
ただし、その解説は絶対にすべてに目を通してください。
この解説を読んで、模擬問題を復習するだけで、かなり実力がアップします。今まで、コツコツやってきたことが一気に花開くようなイメージです。
1ヶ月で3回の本番と同じ時間の試験をして、その復習をこなすのは想像以上に大変です。
ここで挫折しないように、踏ん張りましょう。
第四期 10月(直前期)
10月に入って、試験まで数週間となると、もう新しいことはしなくていいです。
使っていた問題集の間違ったところだけ繰り返し見直したり、模擬試験の復習したものを見直したりしてください。
苦手なところを重点的に復習してもいいと思います。
あとは、体調を崩さないように気を付けて過ごすことが大事です。
宅建試験のポイント
宅建試験は、絶対点での合否判断ではなく、相対的な合否判断です。
つまり、何点取ったら合格、ではなくて、全体の上位15%前後に入れば合格なのです。
と、いうことは、正解率の低い難問に正解するより、正解率が高い問題は確実に、正解率が50%前後の問題にいかに正解を出せるかが勝負です。
なので、基本的なことをしっかり理解することで合格に近づきます。
今日、ご紹介した方法では、正直にいうと満点に近い点数は絶対に取れません。
どちらかというと、合格点ギリギリで行けるかどうかといった結果になると思います。
でも、それでいいのです。
合格点ギリギリでも合格は合格です。
なので、しっかり基礎的な問題を繰り返し復習することが重要になってくるのです。
とは言え、独学で合格するのは自信がない…という人は?
宅建は、独学で充分合格を狙える試験ですが、全くの初学者だったり、勉強する習慣がなかなか身に付かない人にはハードルが高いかもしれません。
そういう場合は、自宅でネットさえあれば受講できる「オンライン講座」などを受講して勉強をサポートしてもらうということもアリだと思います。
分からないことを質問出来たり、定期的な小テストがあったりと独学でやるより効率的に勉強できる可能性もあります。
宅建受験生に人気のオンライン口座を3つ紹介しますので、独学に自信のない人は受講してみることをおススメします。
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月額980円からのオンラインスクール「オンスク.jp」
まとめ
いかがでしたか?
宅建試験は独学で5ヶ月あれば十分合格が可能です。
ただし、もちろん努力は必要。
でも、1日8時間勉強しよう!とかいうようなハードなものではありません。
最初は「問題集を毎日開く」を目標に続けるだけです。
もしも、独学に自信のない人は、オンラインスクールなどを利用してみるのもいいです。
ぜひ、宅建の試験合格を勝ち取って下さい!
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