治験ボランティアとは?その仕組みと安全性、報酬と登録方法について

コラム
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「治験ボランティア」という言葉はまだ一般的ではないかもしれません。

今回は、「治験ボランティア」とはどんな制度なのかを解説します。
多くの方が疑問に思うこと、不安に感じることなどの解説をしつつ、実際に参加するための申し込み手順なども紹介します。

治験ボランティアに興味はあるけど、

体にリスクはないのか?
報酬は?
どうやって申し込むの?
そもそも治験ボランティアって何?

そういったことを知りたい方には参考にしてもらえると思います。

治験ボランティアとは?

治験とは何か?

治験(ちけん)とは、新しい薬(新薬といいます)を世に出すために、健康な人または、患者さんに投薬してみて、その安全性や効果、副作用の程度などを調べることを言います。

いわゆる、臨床試験です。

製薬会社さんなどは、治験のデータを厚生労働省に提出し、薬としての承認を得ることになります。

なぜ「ボランティア」とよばれるのか?

では、なぜ「治験アルバイト」ではなく、「治験ボランティア」なのでしょう?

新薬の臨床試験、いわゆる「治験」は、あくまでも本人の「意志」で行うものであるためです。

仕事として行うのではなく、新薬の承認のため、医療に貢献するため、自らの意志で協力するということが前提となっているのです。

しかし、ボランティアと言っても、無償で行うわけではなく、治験に参加するためにかかる経費や時間の対価を軽減する目的で、

「負担軽減費」

が支給されるということになります。
これは、協力費、謝礼金といった意味合いになります。

治験ボランティアに対する4つのよくある「疑問」

治験ボランティアに対して、多くの方が疑問に思うことが4つあります。
その4つを解説していきます。

①治験ボランティアの安全性は?

新しい薬って体に害はないの?

まだ承認されてない薬を服用するって、ちょっと怖いですよね。
副作用だったり、体調が悪くなったりするのではないかと心配になってしまいます。

治験ボランティアの安全性はどうなのか?ということが一番気になるところかと思います。

治験に対する安全性

治験を行うためには、国で定めた厳しいルールがあります。
そのルールをすべてクリアして、初めて治験が行えるということです。

そのために最優先で考えられることは
「人権」「安全」の二つです。

人の体に関わることですので、人権と安全が高いレベルでクリアになってない限り、治験ができない仕組みになっています。

さらに、治験ボランティアに参加する前に、詳しい説明と検査などがあり、その上で参加するかどうか判断してもらうシステムになっています。

なので、良いか悪いか分からないような「実験段階の薬」の投与ではなく、「新薬として登録する最終段階の薬」が治験される薬なのです。

②治験ボランティアの報酬は?

先に書いたように、治験ボランティアに「報酬」は存在しません。
あくまでも「負担軽減費」が支給されるだけです。

では、その負担軽減費はいくらぐらい支給されるのでしょう?

負担軽減費はいくら支給される?

負担軽減費も、治験の内容や治験期間の長さによってまちまちです。
製薬会社さんによっても違うかと思います。

ある治験ボランティアの負担軽減費支給例を紹介しますと、

3泊4日の入院治験を2回行って、153,000円の負担軽減費が支給されたというものがあります。

治験ボランティアといっても、入院不要のもの、継続して一定期間服用するもの、いろいろあるかと思いますので、負担軽減費もその都度変わってきます。

③治験ボランティアはどんな薬を服用するの?

「治験ボランティア」と言われるので、医療用の薬を服用するイメージがあるかと思います。

ただ、実際には医療用の薬だけではなく、特保(トクホ)と呼ばれる特定保健用食品、健康器具など多岐に渡ります。

治験ボランティアでの治験の例

下記のような治験が行われています。

●腕時計型検査機器モニター
腕時計型の心拍や血圧を測る検査機器をつけていただき運動・生活をするモニター試験です。

●中性脂肪飲料モニター
中性脂肪を下げる効果が期待できる飲み物を飲むモニター試験です。

●体組成計モニター
乗るだけで骨密度・体脂肪などが分かる体重計のモニターです。

●青汁モニター
青汁を飲むモニターです。

●禁煙器具モニター
煙草を吸っている気分を味わえる禁煙器具のモニターです。

このように、薬だけではなく、健康に関する様々な薬、健康食品、健康器具の治験があります。

④治験ボランティアにメリットはあるの?

治験ボランティアに参加することによって、何かメリットはあるのでしょうか?

3つのメリット

(1)専門医師がかかりつけになる

医師と治験コーディネーターがボランティア参加者のかかりつけになります。
健康に関するアドバイスをもらえるので、健康増進に役立ちます。

(2)定期的な検査を受けられる

定期的に検査や通院をするので、自身の健康状態をこまめにチェックできます。

(3)治療にかかる負担は医療機関でサポート

例えば先の例であげたような、禁煙器具の治験の場合、費用をかけずに禁煙にチャレンジできるということも大きなメリットです。

治験ボランティアの募集はどこで行ってるのか?

治験ボランティアというのは、どこで募集しているのでしょうか?

アルバイトではないので、アルバイト求人誌やハローワークで募集されている訳ではありません。

多くの治験ボランティアは、webでの登録制になります。
webでボランティア登録を行い、その後詳しい治験募集が通知されてくるというのが一般的です。
(登録サイトについては、記事の最後にリンクを貼っておきます)

治験ボランティアの応募方法

①無料会員登録

治験ボランティアwebサイトへアクセスし、無料会員登録を行います。
所要時間は5分~10分程度です。
その際に、今服用している薬、通院履歴などを書いておくといいかと思います。

②治験申込・予約

登録したメールアドレスに治験の案内が届きます。
興味があればメールに返信する形で応募できます。
その後、スタッフから確認の電話があります。

③説明・検査

予約案内に沿って、病院へ行きます。そこで治験の説明を聞き、検査を実施します。
検査とは治験を受けるにあたっての健康状態などの検査であって、治験ではありません。

④治験参加

検査後、医師が治験対象と判断した場合、治験参加となります。

治験ボランティア募集サイトの紹介

治験ボランティア募集サイトはいくつかありますが、人気のサイトを3つご紹介したいと思います。

●JCVN治験ボランティア

●コーメディカルクラブボランティア会

●治験ボランティア

まとめ

今回は、治験ボランティアについて解説しました。
未承認の薬や健康食品などを試すボランティアですが、社会的貢献度も高いです。

アルバイト感覚で臨むのは、意味合いが少し違ってきますが、自分自身の体調管理にもプラスになることもありますので、興味があれば、治験ボランティアサイトへ登録してみるのもいいと思います。

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