営業マンにダマされないぞ!とガードしている人がいまだに多いですね(汗)
僕ら営業マンに対して「口がうまくて狡賢い(ずるがしこい)」
こういうイメージを持っている人は未だに多いような気がします。
確かに口先だけで丸め込んで、モノを売りつけていた時代もあったと思います。
その時代のイメージが今も残っているのでしょうか?
もしかすると、当の営業マン自身がそのイメージに引っ張られて自らそういう弁が立つような話し方をしているのかもしれませんね。
もちろん、話が下手よりは上手なほうが良いことが多いかもしれません。ただ、それと営業成績はあまり相関関係にないように思います。
売れる営業=信頼される営業。
僕は常々こう思っています。
しゃべりが上手な人が必ずしも信頼されるわけではないです。
むしろ口下手で寡黙な実直な人のほうが信頼されたりするケースは珍しくありません。
つまり、信頼されること。信頼されるような話し方をすることが営業マンとして最も大事なスキルなのではないかと思っています。
もし、すごく簡単で楽ちんで、お客様からも同僚からも上司からも信頼されちゃう話し方があったとしたら、どうでしょう?
そんなうまい話があるの?
はい、あります。
それは「真っ当なことを言う人」でいることです。
それはどんなことか?
真っ当な事を言う人とは「営業マンの都合ではない、人として納得できる正しい事を言う人」だと思います。
否定も反論も説得もなし。ただただ真っ当な事を言う。
では、どうしてそんなことで信頼される営業マンとして認められるでしょうか?
真っ当な事を言うことが楽ちんで信頼もされちゃう3つの理由
①反論されにくい
自分の都合に関係なく、真っ当な意見なので相手方からは反論されません。
自分の都合の良いように、話を誘導したり、強引に推し進めたりしないので不自然さがありません。
相手方の反論がないということは、対立構造にはならないため、その後のコミュニケーションもスムーズに運びます。
信頼されないのは、意見が分かれて対立するからです。例えば売る側と買う側の対立とか。
②その場しのぎで話を合わせる必要がないので楽
その場その場で自分の損得勘定をして、より有利な話をしていくのは想像するより大変です。
よほど頭の回転が速いか、天性の嘘つきでない限り難しいです。
なので、何とか得するような話を始めても途中で話が崩壊して中途半端な会話で終わってしまうことも多いと思います。
そんなことより、常に真っ当な事を言っていれば、損得勘定関係なく話せるので実はすごく楽。話の筋道も通って矛盾しません。
③行動が速くなる
真っ当な事しか言わない事が身についてくると、迷いが無くなってきます。
どうしようか…と迷うのは失敗や後悔をしたくないから。
どういえば良いのか、どう行動すれば正しいのか、を迷っている時間だけ行動が遅れます。
常に真っ当な事しか言わないなら、迷う時間も大幅に短縮されます。
考えで迷わない=行動も迷わない。
結果として行動が速くなるので、仕事の効率もPDCAを回すサイクルもどんどん早くなっていきます。
人は真っ当な事を言う人を信用する
私が住宅営業をしていた時に本当にあったお話です。
そのお客様の屋根の部材がスレート瓦という軽い素材で出来たものを採用してご提案していました。
お客様はご年配の方で「スレートでは塗りなおしも必要だし耐久性もないからダメだ。陶器瓦を乗せてほしい」という要望でした。
ただ、予算の関係もありお選びいただいたモデルに陶器瓦の設定がなかったので、そう伝えると激高されました。
「屋根がこんなペラペラのじゃ話ならんし、最初からそう言われなかった」
仕様書はお出ししていたのですが、なかなかそこまで読み込むことはなかったのだと思います。
スレート瓦も軽くて、最近のものは耐久性も上がったのですが、やはり陶器瓦に比べると安価なもので、価値としても低いという位置づけでした(当時)。
そして「あんたが自分の家を建てるなら、どっちがいいんだ?
と聞いてこられました。
僕は正直、比べたら陶器瓦の方が良いという認識だった(当時)ので
「もちろん陶器瓦がいいです。どちらがいいかと言われれば」
と正直に言いました。
するとお客様はちょっと拍子抜けしたような表情になり「そうだろう。これでスレートが良いと言ってたら完全にあんたのこと信用してないが。そうやって正直に言ってくれるなら…」
と言ってもらいました。その後、お客様の態度は軟化して結局予算を少し足して陶器瓦を採用されたのです。
普通の営業なら「最近のスレート瓦はよくなってきてるので、スレートを選びます」という風に言ってしまうのではないでしょうか?
おそらく、もしそう言っていたとしたら信用を失い、クレーム・担当交代・最悪は契約解除にまで発展したのではないかと思っています。
真っ当な事を伝えると信頼される。
こういうことだと思います。
そうは言っても、いつも上手くいくとは限らないでしょ…?
もちろん、そうです。
真っ当な意見は時に自分に不利な話になってしまうことが往々にしてあるからです。
短期的には目先の利益は得られないかもしれません。
ただ、信頼は短期的な成果だけを目論んではいけないと思います。
長期的な成果を目指して信頼の種を撒いていく。
信頼の種が育って、後から大きなリターンを得られる。
そんな風に積み上げていくのも「真っ当な事」だと思います。
まとめ
営業の現場に限らず、人と人とのコミュニケーションは信頼が大事。
それには常に「真っ当なこと」を口にしてそのように行動できるか、それに尽きると思います。
それには、何が真っ当なのか?
この感覚を磨いてこそ、真の信頼を勝ち取ることができるのだと思います。
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