住宅ローンの審査とはどういうものなのか?銀行がチェックするポイントとは?

マイホーム・不動産
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マイホームを購入する時の「不安なこと」第一位は「住宅ローン」

僕は、元ハウスメーカーに勤務していた時から、不動産仲介業を行っている今でも毎月何本も住宅ローンの申し込みをお手伝いしています。

マイホームを購入する時に一番不安に思うことをお客様に尋ねると、ブッチギリの1位は
「住宅ローンが不安」
という回答です。

そういったお客様にも掘り下げて聞いてみると、単純に住宅ローンというものが分からなくて不安…という人が多いです。

実際には、返済計画的に全く問題のないレベルの人でも住宅ローンがどういうものなのか分からないので不安という人が多い印象なんですね。

逆にメチャメチャ楽観的な人もいますが(笑)

普通に仕事をしていて、現状多額の借金をしていたり、過去に金融事故がない人であれば住宅ローンは何も心配することはないです。

多くの借金を抱えている人や、過去に金融事故を起こしているようなひとには金融機関はお金を貸しませんから安心なんですね。

ちなみに、金融事故というのは、自己破産や個人再生といった債務整理をしたことのある場合や、カードローンなどの返済を延滞を繰り返しているような場合に「事故扱い」となるのです。

なので、金融機関のローン審査に通った場合は銀行が「返済能力がある」と認めてくれたということなのでさほど心配はいらないと思っていいと思います。

銀行も返済してもらえないリスクを取って融資するわけありません。
ですので、自分の希望額に届かず、減額回答(住宅ローンの上限を減額される)場合もあるのです。

今回は、住宅ローンの審査とはどういうポイントをチェックされるのか?ということを解説していきます。

住宅ローンの審査の特徴

シンプルに言うと、住宅ローンの審査に通らなかったらマイホームを購入することはあきらめないといけないということです。

住宅ローンを組まずにオール現金でマイホームを購入するなら別ですが、一般的には住宅ローンを利用しますよね。
その住宅ローンを借りることができなければ、マイホームは購入できないことになります。

住宅ローンを借りるためには金融機関の「審査」が必要です。

そして住宅ローンの審査には特徴があります。
つまり、審査する項目のポイントがあるのです。

僕たちが住宅ローンの審査を通す時にチェックするのが、そういった住宅ローンの審査項目をクリアしているかどうかというところです。

正直、銀行などに審査を出さなくても、お客様の状況をお聞きするだけで住宅ローンを借りられる人かどうかがある程度はわかります。

住宅ローン審査のポイントとは?

住宅ローン審査のポイントは、

  • 年収
  • 勤続年数
  • 家族構成
  • 勤務先の健全度
  • 仕事の業種
  • 雇用形態
  • 現在の借入状況
  • 過去の金融事故情報
  • 自己資金比率
  • 体の健康度

などをチェックしてローン審査をします。1つずつ簡単に解説します。

年収

これは、説明がいらないかもしれません。年収がどれぐらいあるかをチェックします。
主に源泉徴収票などを見て、どれぐらいの収入があるのかを見ます。

勤続年数

仕事が長続きしない人には住宅ローンの審査が厳しくなります。同じところに長く勤めていた方が審査には有利です。転職したばかりの場合はそもそも住宅ローンの審査を断られますので、最低でも1年〜2年は勤めてからでないといけません。

家族構成

これは意外かも知れませんが、独身者よりも既婚者の方が審査が有利です。あからさまには言われませんが独身者よりも家族を養う責任のある既婚者の方が転職などの確率が少ないという判断で貸す側はリスクが少ないと考えます。

勤務先の健全度

勤めている先が怪しい会社だったり、財務的に厳しい会社だったりした場合は住宅ローンが通らない場合があります。特に反社会勢力とのつながりが疑われているような会社であったり、債務超過が著しい会社であったりする場合は難しいですね。銀行はそんな情報をたくさん持ってます。

仕事の業種

従事している仕事の業種にも住宅ローンは左右されます。肉体的に危険が付き纏うような仕事であったり、非常に離職率の高い業種の場合は不利になります。肉体的に危険な仕事は働けなるような怪我を負うことも考えられますし、離職率の高い業種では、職を失うリスクもあると考えられます。

雇用形態

住宅ローンは35年間で返済するのが一般的な、長期に渡って返済をしてもらうローンになります。
そのため、長く安定的に働いてくれるかどうかが重要になります。雇用形態が「契約社員」であったり「派遣社員」であったりした場合は審査が厳しくなります。金融機関によっては正社員以外は審査を受け付けてくれないところもあります。

現在の借入状況

住宅ローンを組む場合において、他に借入の返済があるかどうかを重要視します。
よくあるのが、車のローン、カードローン、奨学金の返済、ブライダルローンです。
これらを返済しながら住宅ローンを借りることは、なかなか難しいです。
住宅ローンの審査を通しても、これらのローンを全額返済した証明を提出することを条件にした「完済条件付き」になる場合が多いです。

過去の金融事故情報

先にも少し触れましたが、過去に金融事故と呼ばれる「自己破産」「個人再生」などの債務整理、借入金の返済を延滞などをしていないかをチェックされます。
携帯電話の機種変更に伴う機種代金の精算忘れなどが過去にあった場合でも、事故扱いで引っかかってくる場合もあります。

自己資金比率

自己資金をいくら使うか(持っているか)も審査に多少影響を受けます。
当然、自己資金を多く入れた方が審査は有利になります。
とはいえ、今は低金利なのであまりたくさんの自己資金を投入するのはオススメできませんが。

体の健康度

体が資本、ではないですが健康な体であることも住宅ローンを借りる際の条件になります。
特に、慢性的な持病のある人は、酷なようですが住宅ローンが通りません。
住宅ローンには団体信用生命保険という保険に加入するのが条件になります。もし債務者(ローンを返済する人)に万が一のことがあったら住宅ローンがチャラになるという保険です。
この保険に加入することで銀行のリスクが減ります。この保険には持病を患っている方は加入できないケースが多いのです。そうなると、必然的に住宅ローンの審査も通らないと言うことになってしまいます。

住宅ローンの審査は人を見る

住宅ローンの審査は、ズバリ「その人を見る」と思ってもらえばいいです。

そして、どちらかと言うと、これからの可能性というよりはそれまでの「お金に対する向き合い方」を審査されると思ってもらえばいいと思います。

どれだけ真面目に仕事をしてお金を稼いできたか。
無計画に借金をするような体質ではないか。
安定的に収入を得られる仕事に就いているか。

こういったことから、将来の返済リスクを判断していくものだと思った方がいいです。

今までお金に対してルーズな生活をして来た人が、マイホームを買うからといって急にお金に対して真面目にシビアになるとは思ってもらえませんし、安定しない収入の仕事が急に安定した仕事に変わるとも思ってもらえません。

なので、マイホームを手に入れたい場合は、しっかりとお金とそれを生み出す仕事について考える必要があります。

逆に言えば、住宅ローンの審査に通るということは、銀行から一定の評価をしてもらったということなので、必要以上に住宅ローンを怖がることはないかなと僕は思ってます。

住宅ローンの審査は理不尽だな…と思う人へ。審査基準が少し異なる「フラット35」という住宅ローンもある

住宅ローンは「人を見る」と言いました。
では、今までお金に対してルーズだったというのは自業自得なところもあるので仕方がないかな…と思うところもあります。

でも、それ以外のケースってちょっと理不尽だと思いませんか?

収入が安定する仕事と言われても、仕事に貴賎はないはず。
そもそも会社員ではなくて、収入が毎年違う自営業だったらどうなのだと。
持病がある人は家を買うなということ?

僕も同感です。できればもっと個別に状況を判断してもらいたいなと思うことはしょっちゅうあります。

その「人を見る」住宅ローンに対して、人よりも「不動産の物件で判断する」という審査基準の「フラット35」という住宅ローンもあります。

住宅ローンをあきらめる前に、このフラット35についても知っておくとよいです。

こちらの記事で、フラット35について解説しますので、そちらも合わせて読んでみてください。

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