営業の仕事をしていて、成績がパッとしない人の特徴の中に「説明マシン」になっているという特徴があります。
商品やサービスの説明はスラスラ出来るのだけど、契約につながらないという人です。
営業マンの中には「耳が痛い」とおもう人も多いのではないですか?
「説明マシン」と揶揄される人は、おおむね真面目で商品知識も豊富で一見「何でそれで売れないの?」と思うような事も少なくありません。
この「説明マシン」になってしまうと、2つの思考傾向が見て取れます。
1つ目は商品やサービスの良さは伝えたのにお客様が分かってくれない、お客様の理解力が足りないなどと、お客様のせいにする思考傾向です。
こんなにちゃんと説明して商品の良さを伝えているのに、お客様の理解力が無いから売れないのだ、とこうなるのです。
これはもう最悪ですね。
自分の反省をするどころか、お客さまが悪いと言っている事になります。
お客様が理解されないのであれば、どうやったら理解頂けるのか、自分の伝え方に問題はないのか、それを考えて当然ですよね。
説明マシンになってしまう人は、真面目で知識豊富な傾向にある分だけ、ついお客様のせいにしがちではあります。
もう1つの思考傾向として、さらに説明に磨きをかけるパターンが有ります。
契約を取れないのは説明が不十分だから、という考えです。
もっと詳しく説明できればお客様が買って下さると思うのです。
こうなると、お客様は苦痛しか感じません。説明など、元々退屈なものです。
それを延々と聞かされる身になると不幸と言ってもいいですね。
つまり、説明マシンが売れないのは「説明」をしてるからなのです。
説明しないと商品やサービスが分からないじゃないか!
と言われそうです。
はい、その通り。
説明は必要です。
ただし、説明しかしないのはダメということです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
結論から言うと、その商品やサービスを買うと、どんな良い事を手に入れられるのか、を伝えるという事です。
この「良い事」は、ベネフィット=利益と言われるものです。
商品の説明だけで終わらず、その商品を使うとどんな利益を得られるのか、を伝えるということです。
例えば、掃除機のセールスの場面を想像して下さい。
セールマンA
「この掃除機の吸引力は従来の2倍あります。小さなゴミも逃さずお掃除できます。静粛性も向上しましたので、とても静かにお使い頂けます」
セールスマンB
「この掃除機の吸引力は従来の2倍あります。ですので今までより早くキレイにお掃除できます。早くお掃除終わった分だけ奥様のお時間が増えますので忙しい朝にもぴったりです。また静粛性も向上しましたので、朝早くお掃除しても、家事が一段落した夜にお掃除しても近所迷惑になりませんので、お時間の調整が楽になります」
どうですか?
セールスマンAとBの違い、分かりますよね。
Aは単に吸引力と静粛性の説明をしただけ。
それに対してBは説明もしつつ、奥様の時間が増える、朝でも夜でも好きな時にお掃除可能という、「時間が無駄にならない」というベネフィットを語っています。
自分にとって有用なこと(利益)が伝わって初めて「欲しい」となるのです。
メリットとベネフィットの違い
ここで1つ注意が必要な事があります。
それは、メリットとベネフィットをごっちゃにしないで欲しいということです。
メリットというのは、その商品のプラスな事で、ベネフィットはその商品を使った時に得られるプラスな事。
似ているようで全然違います。
先の掃除機セールスの文章で言うと、「小さなゴミも逃さずお掃除できます」はメリットです。
それに対して「奥様のお時間が増えます」がベネフィットです。
小さなゴミも逃さないと、どんないい事があるの?まで伝えて初めて「ベネフィット」となるのです。
まとめ
いかがでしょうか?
営業の仕事をしていて、なんか近頃成績がイマイチという人は「説明マシン」になってないかチェックしてみて下さい。
意外と、商品が良い場合に説明マシンになる傾向がありますので、良い商品を扱っていればいるほど注意が必要ですよ!
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